陽の丸坊主や陰の丸坊主が出現した直後にエントリーすれば、FXやバイナリーオプションで勝つ事ができるのか?
誰もが一度は抱くこの疑問を、独自ツール「丸坊主の極み」を使って徹底的に検証しました。
対象はUSD/JPY・EUR/USD・AUD/USD、1分足から日足までの過去3年分のデータになります。
丸坊主がどれくらいの頻度で現れ、次足でどの程度の勝率となるのか、実際の数字をもとに、通説が本当に通用するのかを確かめていきます。
陽の丸坊主と陰の丸坊主とは
陽の丸坊主(ようのまるぼうず)と陰の丸坊主(いんのまるぼうず)はヒゲがほとんど無く実体が大きいローソク足になります。
丸坊主と言えば「ヒゲが無い」と言うイメージが強いのですが、ヒゲを0で判定した場合、サンプルが取れない問題が発生します。
時間足 | 発生本数 |
---|---|
1分足 | 9400本 |
5分足 | 270本 |
10分足 | 40本 |
30分足 | 3本 |
1時間足 | 1本 |
日足 | 0本 |
1分足の場合、時間が短い事もあり価格が一方向に動く事がありますが、日足の様に長い時間であれば、東京・ロンドン・ニューヨークと、流動性の高低が入れ替わる中で、どこかで押し戻しが起きます。
結果として上か下にヒゲが立つのが普通です。
1分足であれば、ヒゲ0でも充分取引可能ですが、それ以外の時間である程度上下のヒゲを許容した方が良いでしょう。
陽の丸坊主・陰の丸坊主の素朴な疑問
陽の丸坊主と陰の丸坊主を調べると必ずこの様に書かれています。
陽の丸坊主=買いサイン
陰の丸坊主=売りサイン
陽の丸坊主は買いの勢いが強く、陰の丸坊主は売りの勢いが強いのは確かです。
であれば皆さんこう思うはずです。

この勢いのまま次足にエントリーすれば勝率が上がるのでは?
少なくも勝率55%以上になるのでは?
もしこの理論が正しければ、それだけで利益を出す事が出来ます。

これは徹底的に調べるしかありません。
この疑問を解決する為に、MT5で陽の丸坊主と陰の丸坊主の次足の勝率が分かる専用のツールを開発しました。
判定用独自ツール「丸坊主の極み」
今回「陽の丸坊主」と「陰の丸坊主」の勝率が視覚で分かる様に独自ツール「丸坊主の極み」を開発しました。
丸坊主の極みは無料配布していますので、「陽の丸坊主」・「陰の丸坊主」で取引をされる予定の方は是非ご活用下さい。
ツールはMT5専用となっています。MT5は公式サイトより無料でダウンロードする事ができるので、インジケーターに興味のある方はこの機会に一度お試し下さい。
丸坊主の極みを立ち上げると「陽の丸坊主」と「陰の丸坊主」に矢印のサインが表示され、同時に勝敗マーク「○」もしくは「☒」が表示されます。
陽の丸坊主の場合、次足が陽線なら勝ち「○」、次足が陰線なら負け「☒」マークが付き、陰の丸坊主の場合は、次足が陰線なら勝ち「○」、次足が陽線なら負け「☒」マークが付きます。
勝率、勝ち、負けは画面左上のテキストに表示されます。
本数指定や年数の指定(1年・3年)も可能になっています。MT5は全足を見ると1971年から始まっているので、本数の指定や年数の指定は必須となります。
また、アラートボタンをオンにするとサインが出た時にアラートが鳴なるので、チャートに張り付かなくても陽の丸坊主や陰の丸坊主を知る事が出来ます。
丸坊主の極みの初期設定は以下のようになります。
平均レンジに対する倍率 | 1.5 |
直近の参照本数 | 50 |
陽の丸坊主用上ヒゲ上限(%) | 5.0 |
陽の丸坊主用下ヒゲ上限(%) | 5.0 |
陽の丸坊主用上ヒゲ上限(%) | 5.0 |
陽の丸坊主用下ヒゲ上限(%) | 5.0 |
初期値では直近50本の平均より1.5倍以上で、ヒゲの許容を5%にしていますが、インプットより変更する事が出来ます。
丸坊主の極みは丸坊主の確認や学習用とお使い下さい。
ツールを使っての取引は、全て自己責任となります。
ご理解頂ける方のみ丸坊主の極みをご活用下さい。
丸坊主の極みの商用利用や二次配布は禁止しています。
検証内容の詳細
こちら
今回の検証は以下の内容で行います。
通貨ペア | 「USD/JPY」「EUR/USD」「AUD/USD」 |
検証時間 | 1分・10分・1時間・1日 |
検証期間 | 3年 |
ヒゲの許容範囲 | 0~10% |
丸坊主のサイズ | 過去50本の平均より1.5倍以上 |
今回の検証は3年間の検証期間で行っています。
ローソク足は長い時間足になるほどヒゲが出やすくなり、日足ではヒゲ0になることはほとんどありません。
ある程度、ヒゲを許容しないとデータを取る事が出来ないので、高値~安値に対して0%~10%のヒゲを、時間足に応じて許容しています。
陽の丸坊主・陰の丸坊主はある程度大きい事が前提となります。
明確な決まりは無いのですが、今回の検証では過去50本の高値と安値の差の平均を出し、平均の1.5倍以上でサインが出るようにしています。
陽の丸坊主・陰の丸坊主の勝率!検証結果を公開
驚きの勝率が判明!
陽の丸坊主と陰の丸坊主の勝率を、自社開発ツール「丸坊主の極み」を使い正確にカウントしています。陽の丸坊主と陰の丸坊主だけで本当に勝つ事ができるのかお確かめ下さい。
1分足の勝率
1分足の検証では、ヒゲの許容を0にしています。1分足の場合、ヒゲ0でも十分にサンプルを取る事が出来ます。
ローソク足のサイズは過去50本の平均値の1.5倍以上としています。
通貨ペア | 判定年数 | 勝率 | 勝ち | 負け |
---|---|---|---|---|
USD/JPY | 3年 | 43.3% | 4095 | 5353 |
EUR/USD | 3年 | 43.2% | 6130 | 8044 |
AUD/USD | 3年 | 43.1% | 6800 | 8971 |
1分足の勝率43.1%~43.3%になります。
1分足など短時間の場合、そのまま勢いが続くのではなく反発しやすい印象です。
本来であれば陽の丸坊主=買いサイン、陰の丸坊主=売りサインなのですが、実際の履歴を見れば、その様になっていない事が分かります。

勝率だけで見ると、陽の丸坊主=買いサイン、陰の丸坊主=売りサインの逆張りをする事で勝率を約56%まで上げる事が出来ます。
10分足の勝率
10分足でヒゲ判定を0にした場合、3年間で約40件しかサインが出ないので、ヒゲ判定を上下5%まで許容しています。
ローソク足のサイズは過去50本の平均値の1.5倍以上としています。
通貨ペア | 判定年数 | 勝率 | 勝ち | 負け |
---|---|---|---|---|
USD/JPY | 3年 | 47.7% | 365 | 400 |
EUR/USD | 3年 | 45.9% | 453 | 534 |
AUD/USD | 3年 | 44.9% | 449 | 550 |
10分足の勝率44.9%~47.7%になります。
10分足も陽の丸坊主=買いサイン、陰の丸坊主=売りサインと反しており低い勝率となっています。

1分足と同じく勝率だけ見ると逆張りが有効と言えます。
1時間足の勝率
1時間足でヒゲ判定を0にした場合、3年間で約1件しかサインが出ないので、ヒゲ判定をある程度許容しなければなりません。
1時間足でヒゲの許容を5%にした場合、3年間で約80程度しかサインが出ないので、検証としてはデータ不足と言えます。
通貨ペア | 判定年数 | 勝率 | 勝ち | 負け |
---|---|---|---|---|
USD/JPY | 3年 | 48.8% | 40 | 42 |
EUR/USD | 3年 | 45.3% | 43 | 52 |
AUD/USD | 3年 | 44.1% | 41 | 52 |
陽の丸坊主や陰の丸坊主は時間足が長くなるほど、サインが出にくくなります。
ヒゲの許容を許せるか許せないかに関しては、意見が分かれますが、ある程度許容される事をおすすめします。
ではヒゲの許容を10%まで上げた場合はどうなるのでしょうか?
通貨ペア | 判定年数 | 勝率 | 勝ち | 負け |
---|---|---|---|---|
USD/JPY | 3年 | 48.3% | 140 | 150 |
EUR/USD | 3年 | 50.2% | 149 | 148 |
AUD/USD | 3年 | 51.4% | 167 | 158 |
当然、ヒゲの許容を上げると勝率が大きく変わってきます。

ヒゲの許容範囲を上げると勝率こそ上がりますが、50%前後となりますので、丸坊主で取引する理由は無くなります。
日足の勝率
日足の場合、ヒゲの許容を0にするとサインが出る事はほぼありません。
その為、日足で検証する場合はヒゲの許容を10%程許す必要があります。
通貨ペア | 判定年数 | 勝率 | 勝ち | 負け |
---|---|---|---|---|
USD/JPY | 3年 | 62.5% | 5 | 3 |
EUR/USD | 3年 | 54.5% | 6 | 5 |
AUD/USD | 3年 | 50.0% | 5 | 5 |
日足になると、東京・ロンドン・ニューヨークと、流動性の高低が入れ替わる中で、どこかで押し戻しが起きます。
その為、日足で陽の丸坊主・陰の丸坊主が出る事はほぼありません。
ヒゲの許容を10%にしても、日足で陽の丸坊主・陰の丸坊主の発生頻度は低く、3年間で数件しか発生しないので検証自体が成り立ちません。

日足の場合、陽の丸坊主・陰の丸坊主は発生しないと考えた方が良いでしょう。
陽の丸坊主・陰の丸坊主の検証から分かる事
まとめ
今回の検証で分かった事をまとめています。
今回の検証で一番驚いたのは日足では陽の丸坊主・陰の丸坊主がほぼ発生しないと言う事です。
FXやバイナリーオプションで陽の丸坊主・陰の丸坊主で取引を考えている方は、日足以上では「サインが出ない」ので別の方法で取引を行いましょう。
陽の丸坊主・陰の丸坊主は「陽の丸坊主=買いサイン」、「陰の丸坊主=売りサイン」として認識されています。
通貨ペア | 判定年数 | 勝率 | 勝ち | 負け |
---|---|---|---|---|
USD/JPY | 3年 | 43.3% | 4095 | 5353 |
EUR/USD | 3年 | 43.2% | 6130 | 8044 |
AUD/USD | 3年 | 43.1% | 6800 | 8971 |
しかし、次足の勝率は43%と予想以上に低くなっています。
「USD/JPY」の勝率だけが低い場合、偶然の結果と言えますが、「EUR/USD」「AUD/USD」も43%の勝率なので勝率が低いのは確かと言えます。

ここまで勝率が悪いと逆張りが有効と言えるでしょう。
今回の検証結果だけで言えば、1分足の陽の丸坊主・陰の丸坊主は「陽の丸坊主=売りサイン」、「陰の丸坊主=買いサイン」にする事で56%以上の勝率になります。
過去50本の平均の1.5倍以上としているので、反発した可能性が高いのですが、何故ここまで勝率が悪いのかはハッキリしていません。
陽の丸坊主と陰の丸坊主はある程度ヒゲを許容しないと、サインが発生しません。
丸坊主だからヒゲ0に拘りたい気持ちは分かりますが、0になる事は1分足以外ではほぼありませんでのご注意下さい。
陽の丸坊主・陰の丸坊主でよくある質問
よくある質問
陽の丸坊主や陰の丸坊主の直後、次足で入れば勝てますか?
直後の順張りだけに絞るのはおすすめできません。検証では次足の順張り勝率は高くなく、1分足で43%台、10分足でも45~48%程度でした。今回の結果に限れば、1分足は直後に逆方向へエントリーすると勝率56%まで上がります。
なぜ日足では丸坊主がほとんど出ないのですか?
東京・ロンドン・ニューヨークの各時間帯が一日の中で入れ替わるため、どこかでいったん押し戻されやすく、上下いずれかにヒゲが出がちです。結果として、日足で“完全な”丸坊主はほとんど形成されません。
MT5の「丸坊主の極み」では何が確認できますか?
陽・陰の丸坊主出現時にサイン矢印が表示され、次足の結果が「○/☒」で即時に分かります。画面左上には勝率・勝ち数・負け数が集計表示され、期間や本数の指定(例:1年・3年)も可能です。アラートを有効にすれば、出現を見逃しにくくなります。※MT5専用のインジケーターです。