急変動の後に「反発」は本当に起きるのか?
FXやバイナリーオプションの情報サイトでは、「相場が急激に動いた直後に反発を狙う手法が有効」とよく目にします。
ですが、その根拠はどこまで確かなものなのか——。
本記事では、自社開発の検証ツール「反発の極み」を用いて、急変動直後にエントリーした場合の勝率を主要4通貨ペア・6つの時間足で徹底的に検証しました。
「反発狙い」は有効なのか? 実際の勝率は?
その答えと注意点、そして適切な立ち回り方まで、データを基に詳しく解説します。
FXやバイナリーオプションで反発狙いが有効なのか検証
FXやバイナリーオプションを紹介しているサイトの中には「相場が大きく動いた後の、反発狙いが有効」と書かれています。
その記事を見た時に「本当にそうなの?」と正直思いました。
そこで相場が大きく動いた次の足がどのくらいの確率で反発するのかを自社開発ツール「反発の極み」で徹底的に調べてみました。
反発狙いすると勝率6割や7割あると思いますか?
先に結論から言いますと反発狙いをした場合の勝率は良くて53%程と言う結果になりました。

条件が重なれば反発狙いでも勝率は5割を切ってしまいます。
自社検証ツール「反発の極み」
今回の検証は自社開発ツール「反発の極み」を使用しています。反発の極みは「指定したpips以上」の値動き(高値と安値の差)があるとサインが表示されます。
また、勝敗はサインが出た次の足で判定しています。
サインが出た足 | 次の足 | 勝敗 |
---|---|---|
陽線 | 陰線 | 勝ち |
陽線 | 陽線 | 負け |
陰線 | 陽線 | 勝ち |
陰線 | 陰線 | 負け |
勝ち判定の場合は「青の○マーク」、負け判定の場合「赤の×マーク」が表示され、テキストボックスに勝敗が表示されます。

反発の極みは無料配布していますので、是非ご活用下さい。
検証通貨ペア
反発の動きを明確にするために以下の4通貨ペアで検証を行っています。
- USD/JPY(米ドル/日本円)
- EUR/JPY(ユーロ/日本円)
- GBP/JPY(英ポンド/日本円)
- EUR/USD(ユーロ/米ドル)
全ての通貨ペアで検証する事が出来れば良いのですが、流石に無理と判断したので通貨ペアの中でも特に人気の4通貨ペアに絞っています。
通貨ペア | 特徴 |
---|---|
USD/JPY(米ドル/日本円) | 安定した値動きで初心者向き |
EUR/JPY(ユーロ/日本円) | ユーロと円の要因を同時に受けやすい |
GBP/JPY(英ポンド/日本円) | ボラティリティが高く値動きが荒い |
EUR/USD(ユーロ/米ドル) | 世界で最も取引量が多い通貨ペア |
3年分のデータで検証
今回の検証ではUSD/JPYの3年分のデータで行うので、検証する時間足(「1分足」「5分足」「15分足」「30分足」「1時間足」「日足」)によって本数が多きく異なります。
1分足の場合は、本数が多いので十分な検証結果が得られるのですが、日足の場合は本数が少ないのでやや検証不足となります。
時間足 | 1日あたりの本数 | 3年分の本数 | 備考 |
---|---|---|---|
M1 | 1440 | 1,088,640 | 1日=24時間×60分 = 1440本。×252営業日×3年で算出。 |
M5 | 288 | 217,728 | 1日=24時間×12本(5分足) = 288本。×252日×3年。 |
M15 | 96 | 72,576 | 1時間に4本、1日24時間→96本。×252営業日×3年。 |
M30 | 48 | 36,288 | 1時間に2本、1日24時間→48本。×252日×3年で算出。 |
H1 | 24 | 18,144 | 1日24本(1時間足)。×252営業日×3年=18,144本。 |
D1 | 1 | 756 | 1営業日=1本。252営業日×3年 = 756本。 |
急変動のpipsについて
大きな値動き(急変動)が何pipsかを知るには、時間足毎の平均的な値動きを知る必要があります。
USD/JPYの1分足の場合、指標や急変動時に5pips~15pips(0.05円~0.15円)程動く事があります。
5pips~15pips(0.05円~0.15円)だと曖昧なので、今回の検証では指標・急変動時の中でも大きく動いた値を対象にしています。
今回の場合で言えば15pipsが検証の対象になります。
5pips~15pipsと言われてもピンとこないと思いますが、USD/JPYの日足だとイメージが付きやすいです。USD/JPYの日足の場合、指標・急変動時は150pips~300pips(1.5円~3円)程動く可能性があります。
1日で3円動けばそれなりの急変動と言えます。
最近ではトランプ関税の影響で1日に4円~5円程動く事もありますが・・・
まずは各通貨ペアの平均的な値動きをご確認下さい。
時間足 | 平均値幅 | 静かな時間帯 | 活発な時間帯 | 指標・急変動時 |
---|---|---|---|---|
M1 | 0.8〜1.5 | 0.5〜1.0 | 1.0〜2.0 | 5〜15 |
M5 | 2.5〜4.0 | 1.5〜2.5 | 3.0〜5.0 | 10〜25 |
M15 | 5〜8 | 3.0〜5.0 | 6.0〜10.0 | 20〜40 |
M30 | 8〜15 | 5.0〜8.0 | 12〜20.0 | 30〜50 |
H1 | 12〜25 | 8.0〜15.0 | 20〜30.0 | 40〜100 |
D1 | 50〜120 | 30〜60 | 80〜150 | 150〜300 |
時間足 | 平均値幅 | 静かな時間帯 | 活発な時間帯 | 指標・急変動時 |
---|---|---|---|---|
M1 | 0.6〜1.2 | 0.4〜0.8 | 1.0〜1.5 | 3〜10 |
M5 | 1.8〜3.8 | 1.2〜2.0 | 3.0〜4.5 | 8〜20 |
M15 | 4〜8 | 2.5〜4.0 | 6.0〜9.0 | 15〜30 |
M30 | 7〜15 | 5.0〜7.0 | 10〜16.0 | 25〜40 |
H1 | 12〜30 | 8.0〜14.0 | 20〜35.0 | 40〜80 |
D1 | 80〜120 | 50〜80 | 100〜150 | 150〜250 |
時間足 | 平均値幅 | 静かな時間帯 | 活発な時間帯 | 指標・急変動時 |
---|---|---|---|---|
M1 | 0.8〜1.6 | 0.5〜1.0 | 1.2〜2.0 | 5〜12 |
M5 | 2.5〜5.0 | 1.5〜3.0 | 4.0〜6.0 | 10〜25 |
M15 | 5.5〜11.0 | 3.0〜6.0 | 8.0〜13.0 | 20〜45 |
M30 | 9.0〜18.0 | 6.0〜9.0 | 14〜20.0 | 30〜60 |
H1 | 15〜35 | 10〜18 | 25〜40 | 50〜100 |
D1 | 100〜150 | 60〜100 | 120〜180 | 200〜300 |
時間足 | 平均値幅 | 静かな時間帯 | 活発な時間帯 | 指標・急変動時 |
---|---|---|---|---|
M1 | 0.4〜0.9 | 0.3〜0.6 | 0.6〜1.2 | 3〜8 |
M5 | 1.2〜2.7 | 0.8〜1.5 | 2.0〜3.0 | 7〜15 |
M15 | 2.5〜5.0 | 1.5〜3.0 | 4.0〜6.0 | 12〜25 |
M30 | 4.5〜10.0 | 3.0〜5.0 | 6.0〜12.0 | 20〜40 |
H1 | 8〜20 | 5.0〜10.0 | 12〜25.0 | 30〜60 |
D1 | 70〜100 | 40〜70 | 80〜120 | 150〜250 |
反発狙いの検証結果
はコチラ
時間足 | 判定(pips) | 計測本数 | 勝ち | 負け | 勝率 |
---|---|---|---|---|---|
M1 | 15 | 1088640 | 3025 | 2687 | 53% |
M5 | 25 | 217728 | 1592 | 1420 | 52.9% |
M15 | 40 | 72576 | 700 | 682 | 50.7% |
M30 | 50 | 36288 | 511 | 531 | 49% |
H1 | 100 | 18144 | 89 | 89 | 49.4% |
D1 | 300 | 756 | 19 | 14 | 57.6% |
時間足 | 判定(pips) | 計測本数 | 勝ち | 負け | 勝率 |
---|---|---|---|---|---|
M1 | 10 | 1088640 | 11360 | 10536 | 51.9% |
M5 | 20 | 217728 | 3575 | 3094 | 53.6% |
M15 | 30 | 72576 | 1846 | 1620 | 53.3% |
M30 | 40 | 36288 | 1070 | 1062 | 50.2% |
H1 | 80 | 18144 | 181 | 176 | 50.7% |
D1 | 250 | 756 | 32 | 23 | 58.2% |
時間足 | 判定(pips) | 計測本数 | 勝ち | 負け | 勝率 |
---|---|---|---|---|---|
M1 | 12 | 1088640 | 7862 | 7334 | 51.7% |
M5 | 25 | 217728 | 3443 | 3021 | 53.3% |
M15 | 45 | 72576 | 1003 | 965 | 51% |
M30 | 60 | 36288 | 574 | 623 | 48% |
H1 | 100 | 18144 | 158 | 186 | 45.9% |
D1 | 300 | 756 | 39 | 33 | 54.2% |
時間足 | 判定(pips) | 計測本数 | 勝ち | 負け | 勝率 |
---|---|---|---|---|---|
M1 | 8 | 1088640 | 3674 | 3479 | 51.4% |
M5 | 15 | 217728 | 1474 | 1347 | 52.3% |
M15 | 25 | 72576 | 596 | 515 | 53.6% |
M30 | 40 | 36288 | 214 | 197 | 52.1% |
H1 | 60 | 18144 | 92 | 93 | 49.7% |
D1 | 250 | 756 | 2 | 3 | 40% |
今回の検証だけで言えば、1分足~5分足の反発狙いで勝率が50%を切る事はありませんでした。
しかしどんなに良くても勝率は53%なのでそこまで良い勝率とは言えません。
GBP/JPYで言えば30分足、1時間足で勝率50%を切っています。

検証結果を見る限り50%を超える確率の方が高いのですが、私自身が想像していた勝率を大きく下回る結果となりました。
FXでの反発狙いは有効?立ち回り方も紹介
今回の検証結果で言えば、反発狙いの勝率は51%~53%程になるですが、実際はもっと低くなる可能性があります。
何故そうなるのか?実は「損切による負け」判定が抜けているからです。
急変動時の取引では「損切は必須」になるのですが、損切をする事によって負けるも多々あります。
例えば画像の様なサインが出ている次の足でエントリーした場合、まだ上昇している為、損切の値が低い場合損切されてしまいます。
サインの次の足は結果的には反発して終了していますが、損切の設定によっては負けている可能性もあります。
このような条件まで入れると、反発狙いの勝率は50%を切る可能性が高いので、急変動の次の足で反発を狙うのは勝率の面でおすすめする事が出来ません。

しかし、反発狙自体が無意味と言い切る事はできません。
ここで重要になってくるのが、「急変動の終わりを待つ」事になります。
例えば画像の場合、サインが出た後もまだ価格が下がり続けています。
しっかりと下がり切った後、しばらくの間反発している事が分かります。
判断は難しいのですが、しっかりと「上がりきったり」「下がり切ったり」した後はゆっくり時間をかけて反発する事が多々あります。
急変動が起きた時に最も重要になるのは「落ち着く事」です。この急変動の終わりが何処にあるのかしっかり見極める事で、反発狙いは有効になると思います。
もちろん前提として、急変動=反発するとは限らないと言うのもしっかりと理解しておきましょう。画像の様にサインが出た後も上昇し続ける事もあります。

当サイトオリジナルツール「反発の極み」を使って、急変動後の動きをご確認下さい。
反発狙いの注意点
損切設定は必須です
FXでの反発狙いの問題点は、シンプルに反発しない事です。
急変動の「次の足」を基準(次の足が終わるまで)とした場合、急変動が続いていると大きな負債を抱えてしまいます。
画像の場合、USD/JPYの1分取引で10pips以上の値動きでサインを出していますが、サインが出たからと言って反発する訳ではありません。
勢いが暫く続く事もあり、次の足を基準で取引すると場合によっては10pip以上の損失が出てしまいます。
その為、FXでの取引では「損切」は必至となります。
反発狙いを行った際は2pips以上は損切するなどの設定を行う事で、損失額を一定にする事が出来ます。
※急激な値動きだと損切ができず、予想以上の損失になる可能性もあります。
国内バイナリーオプションの場合、1取引2時間と決まっていますので、エントリーするタイミングが難しく、反発狙い自体おすすめする事ができません。
FXであれば「終わりを決める」事ができますが、国内バイナリーオプションの場合は終わりを決める事ができないと言う問題点があります。
【無料配布】反発の極みのダウンロード方法と使い方
まずは反発の極みをダウンロードします。
ダウンロードファイルはZipになっており、解凍すると「hanpatunokiwami.ex5」が入っています。
次にMT5を立ち上げ、「ファイル」⇒「データフォルダを開く」をクリックします。
「MQL5」をクリックします。
「Indicators」をクリックします。
「Indicators」の中に「hanpatunokiwami.ex5」を移動させます。
「ナビゲーター」の「指標」の中に「hanpatunokiwami」が追加されているので「hanpatunokiwami」をダブルクリックします。
ポップアップが表示されるので「OK」ボタンをクリックします。
反発の極みが立ち上がります。
(pips)変動ボタンの横のテキストに「数値」を入れ、(pips)変動ボタンをクリックします。
画像の場合「50」とテキストに入力されており、50pips以上の値動きがあった場合サインがでる」様になっています。
テキストの数値が反映されている状態はボタンの☑マークで判断する事が出来ます。(☑マークが付いている=反映されている)
※判定本数が未入力の場合は全てのローソク足が対象になります。
※(pips)変動ボタンをもう一度クリックすると「テキストがクリア」されます。
- テキストに数値の入力
- (pips)変動ボタンをクリックする
- (pips)変動ボタンに☑マークが付きます
- 数値以上の動きがあると、サインが表示され、アラートが鳴ります
- テキストの数値を変更する場合は(pips)変動ボタンをクリックします
- テキストがクリアされ、全てのサインが消えます
- テキストに再度、数値を入力
- (pips)変動ボタンをクリックする
- (pips)変動ボタンに☑マークが付きます
- 数値以上の動きがあると、サインが表示され、アラートが鳴ります
※テキストの数値を確実に反映させるため、やや特殊な動きになっています。数値を変更したい場合は、(pips)変動ボタンをもう一度クリックして、テキストがクリアされた後に再度数値を入力して下さい。
判定本数ボタンの横のテキストに数値を入力する事で指定した本数分の勝敗を出す事が出来ます。(判定本数分のサインも表示されます。)
テキストに数値を入れないと全ての足が対象になります。全ての足で検索してもあまり意味が無いので、必要な本数を入力される事をおすすめします。
判定本数ボタンをもう一度クリックすると数値がクリアされます。
※判定本数がクリアされた状態=全ての足で検索
アラートはデフォルトの状態で「ON」になっています。
サインが表示されると同時にアラートが鳴ります。
サインは未確定の足でも、指定したpips以上動くと表示されます。
アラートが必要無い時は「アラート」ボタンをクリックします。
アラートボタンの☑マークが無い時は、アラート機能が停止しています。
反発の極みを消したい時は「チャート上で右クリック」⇒「インディケータリスト」をクリックします。
hanpatunokiwamiを選択して「削除」ボタンをクリックする事で、反発の極みを消す事が出来ます。
FXやバイナリーの反発狙いによくある質問
FXで反発狙いは本当に有効ですか?
検証結果によると、急変動直後の反発狙いの勝率はおおよそ51%〜53%で、思ったほど高くありません。条件次第では50%を下回ることもあります。
反発狙いのエントリーで注意すべきことは何ですか?
急変動後の勢いが続くこともあるため、損切り設定は必須です。また、サイン直後ではなく「落ち着きを待つ」ことも重要です。
反発狙いの勝率は時間足によって変わりますか?
はい。1分足や5分足では勝率が50%以上となる傾向がありますが、30分足や1時間足では50%を下回る場合もあります。