バイナリーオプションやFXの攻略で役立つボリンジャーバンドの使い方を解説しています。さらに、相性の良いインジケーターやおすすめの設定方法も分かりやすく紹介しています。
項目 | 内容 |
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ボリンジャーバンドの基本 | ボリンジャーバンドの仕組み、±1σ・±2σ・±3σの確率、標準偏差の計算方法について解説。 |
正しい使い方 | トレンド確認、ボラティリティ(変動率)の確認、バンドウォークの活用、スクイーズ中の逆張り戦略、エクスパンションの注意点を紹介。 |
設定方法 | MT4での設定方法、推奨期間(20日)、±1σ・±2σ・±3σの表示方法、色分けの工夫について説明。 |
相性の良いインジケーター | RSIとの組み合わせが有効(売られ過ぎ・買われ過ぎの判断)、ダイバージェンスの活用方法を解説。 |
おすすめ設定 | 開発者推奨の「20日設定」を推奨し、その理由を説明。 |
ボリンジャーバンドとは
(Bollinger Bands)
ボリンジャーバンド(Bollinger Bands)とはテクニカル分析で使用される指標の一つで、標準偏差(データのばらつき具合を示す指標)を用いて変動幅やボラティリティ(変動率)の分析を行います。
ボリンジャーバンドを表示させると「3本の線」が引かれます。画像の場合、真ん中の線は移動平均線になり、移動平均線の上の線が「+1σ(シグマ)」、移動平均線の下の線が「-1σ(シグマ)」になります。
ボリンジャーバンドは「+1σ」・「-1σ」だけでは無く、画像の様に「+2σ」・「+1σ」・「-1σ」・「-2σ」の様に2つの線を利用する事もあります。
詳細は後で紹介していますが、ボリンジャーバンドを簡単にまとめると±1σの間いに68.3%の確率で、±2σの間に95.5%の確率で収まる様になっています。
場合によっては±3σまで利用する事もあります。
- ±1σ(68.3%)
- ±2σ(95.5%)
- ±3σ(99.7%)
ボリンジャーバンドは線を引くだけで、バインド内に収まる確率を一目で確認する事が出来ます。
ボリンジャーバンドと標準偏差
σ(シグマ)を解説
ボリンジャーバンドで出てくるσ(シグマ)を理解する為に、標準偏差に付いて紹介しています。まるまる覚える必要はないので、流して読んで下さい。
標準偏差は以下の様な計算で成り立っています。
- 価格の平均値を計算(移動平均)
- 各価格と平均値の差を求める
- 差を二乗して「ばらつき」を強調する
- 強調したばらつきの平均を取る
- ばらつきの平方根と取る
過去5日間の価格が100円、95円、90円、105円、110円とします。
この5日間の平均は(100円+95円+90円+105円+110円)/5=100円になります。
平均値の差は、5日間のそれぞれの価格と先ほど計算した平均値100円との差になります。
- 100円-100円=0円
- 95円-100円=-5円
- 90円-100円=-10円
- 105円-100円=5円
- 110円-100円=10円
先ほど求めた各価格と平均値の差を二乗して、ばらつきを強調します。
- (0円)の二乗=0
- (5円)の二乗=25
- (10円)の二乗=100
- (5円)の二乗=25
- (10円)の二乗=100
先ほど求めた平均値の差を二乗した値の平均値を求めます。
(0+25+100+25+100)/5=50
先ほど求めた値の平方根と取ります。
√50=7.07円
結果は7.07円となり、5日間で±7.07円のばらつきがある事が分かりました。
今回の結果で言えば1標準偏差=7.07円になります。
ボリンジャーバンドではσ(シグマ)が登場しますが、「1σ=平均値から1つの標準偏差分だけ離れた範囲」となります。
1σ=1標準偏差、2σ=2標準偏差と覚えても問題ありません。
MT4で±1σの線を出したい場合は、偏差の部分を1と記入します。
先ほどの場合、1標準偏差は7.07円になりました。±2σの標準偏差を求めるには1標準偏差(7.07円)を2倍する必要があります。
標準偏差が7.07円の場合、2倍すると14.14円となり、±2σの範囲は±14.14円となります。±2σは、±14.14円以内に95.5%の確率で収まります。
MT4で±2σの線を出したい場合は、偏差の部分を2と記入します。
±3σの標準偏差を求めるには標準偏差(7.07円)3倍する必要があります。
1標準偏差が7.07円の場合、3倍すると21.21円となり、±3σの範囲は±21.21円となります。±3σは、±21.21円以内に99.7%の確率で収まります。
MT4で±3σの線を出したい場合は、偏差の部分を3と記入します。
±1σは確率的にもよく抜けるのであまり意味を成していないので、±2σと±3σも表示させた方が良いでしょう。
ボリンジャーバンドの正しい使い方
トレンドの確認で使用する
ボリンジャーバンドと言えば、±2σを超えたら反発狙いなどの曖昧な情報が拡散しており、誤情報も多くなっています。
ここではボリンジャーバンド本来の使い方をまとめています。ボリンジャーバンドの知識が曖昧な方は、この機会に覚えなおしてみましょう。
ボリンジャーバンドはトレンドの確認で利用される
ボリンジャーバンド利用する本来の目的はトレンドの確認です。
ボリンジャーバンドの中心線は単純移動平均線なので、ボリンジャーバンドの線を見ることでトレンドの確認を行う事が出来ます。
移動平均線が「右肩上がり=上昇トレンド」
「右肩下がり=下降トレンド」
「横ばい=レンジ相場」と判断する事が出来ます。
移動平均線だけでなく「±1σ」・「±2σ」の線を組み合わせることで、トレンドのボラティリティ(変動率)の確認も可能です。
相場のボラティリティ(変動率)の確認が出来る
ボリンジャーバンドのバンドの伸び縮で、相場のボラティリティ(変動率)の確認が出来ます。
一般的に、バンドが縮んで平行になっている箇所を「スクイーズ」・バンドが上下に広がって伸びている箇所を「エクスパンション」と呼びます。
スクイーズはボラティリティ(変動率)が低く、エクスパンションはボラティリティ(変動率)が高くなっています。
イメージとしては、スクイーズでエネルギーを溜めて、エクスパンションで爆発させる様な感じです。
エクスパンションが維持されるとバンドウォークが発生します。
後程説明しますが、バンドウォークは±1σと±2σの間をローソク足が推移する事で、バンドウォーク中はトレンドが継続しやすくなっています。
相場の流れは基本的に「スクイーズ」・「エクスパンション」・「バンドウォーク」を繰り返しており、バンドの伸び縮みを確認する事で現在の状況を一目で確認する事が出来ます。
ボリンジャーバンドはバンドの伸び縮みに注目する事で、移動平均線やローソク足だけでは分からない相場のボラティリティ(変動率)を確認する事が出来ます。
バンドウォークでトレンドの確認
バンドウォークとは一般的に「+1σに沿って上昇する」もしくは「-1σに沿って下降する」事を言います。
上昇トレンドの場合、まずは+1σを超えます。
その後バンドを広げながら上昇します。
バンドウォークになる場合は、初めにバンド幅が大きく開くのですが、その後はある程度均等に全てのバンドが上昇する傾向にあります。
+1σと+2σは上昇トレンドなので上向きですが、バンドウォークの場合、-1σと-2σは一旦下降した後に+1σと+2σと同じく上昇する傾向にあります。
-1σと-2σが+1σと+2σが同じ角度になると緩やかな上昇に入った合図となります。
バンドウォーク中はトレンドが継続し、その方向へより多く動く傾向にあります。また、FXの場合は大きな値幅を稼ぐ期待が出来ます。
スクイーズ中の逆張りで使う
ボリンジャーバンドは画像の様にレンジ相場(スクイーズ中)での逆張り狙いに使えます。やり方としてはスクイーズ中に±2σを超えた場合、逆張りを狙います。
逆張り狙いですが、間違ってもエクスパンション中に行わない様にしましょう。
FXの場合、エクスパンション中に逆張りをして、その後トレンドが発生すると大きな損失になる可能性があります。
エクスパンションの注意点
ボリンジャーバンドでよく勘違される事に「エクスパンション=トレンドの発生」があります。そもそも、エクスパンションが発生した時点ではトレンドが形成されるかは分かりません。
エクスパンションでボラティリティ(変動率)が維持されて、初めてバンドウォークを呼ばれるトレンドが発生します。
仮に強いエクスパンションが起こっても、トレンドが発生せずに再度スクイーズに戻る事もあります。
とにかく注意して欲しいのがエクスパンション=トレンドの発生では無いと言う事です。しっかりとトレンドを確認する場合は、バンドウォークが発生するまで待つ事が重要になります。
ボリンジャーバンドの設定方法
ボリンジャーバンドの設定方法は各FX業者・バイナリーオプション業者によって異なります。ここでは無料で試す事が出来るMT4での設定方法を紹介しています。
MT4を開いた後、「挿入」⇒「インディケータ」⇒「トレンド」⇒「Bollinger Bandos」を選択します。
設定画面が表示されるので、パラメータタブより期間と偏差を入力します。
期間はデフォルトの「20」がおすすめになります。
偏差は「1」と入力すると「±1σ」のボリンジャーバンドが表示されます。
±1σだけでは無く、±2σも表示させたい場合は同じ作業を繰り返し行います。
再度、「挿入」⇒「インディケータ」⇒「トレンド」⇒「Bollinger Bandos」を選択します。
パラメータータブより偏差を「2」と入力する事で±2σの線を引くことが出来ます。
スタイルより色を変更する事で±1σと±2σの線の見分けがつきやすくなります。
±3σの線を引くには同様の作業を行い偏差は「3」と記入します。
ボリンジャーバンドと相性の良いインジケーター(RSI)
ボリンジャーバンドと相性の良いインジケーターはRSIになります。RSIでは「買われ過ぎ」・「売られ過ぎ」の状態を判断する事が出来ます。
- 70以上 買われ過ぎの状態(売りシグナル)
- 30以下 売られ過ぎの状態(買いシグナル)
ボリンジャーバンドはトレンド系、RSIはオシレーター系(相場の過熱感を示す)のインジケーターになり、2つを組み合わせる事で、お互いの弱点を補い、ダマシを減らす事が出来ます。
ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせることで、「ダイバージェンス」を確認できます。ダイバージェンスは、トレンドの転換を見極めるのに役立ちます。
- ダイバージェンスとは価格の動きとでテクニカル指標(この場合RSI)が一致しない現状になります。
画像では、価格は下降していますが、RSIは上昇しています。この様な状況を「ポジティブダイバージェンス」と言います
逆に、価格が上昇している一方で、RSIが下降している場合を「ネガティブダイバージェンス」と言います。
ポジティブダイバージェンス | 価格が反転して上昇する兆し(買いサイン) |
ネガティブダイバージェンス | 価格が反転して下落する兆し(売りサイン) |
ボリンジャーバンドは価格の過剰な変動を示し、RSIは相場の過熱感を示すため、両者のダイバージェンスは判定のサインとして有効活用されています。
ボリンジャーバンドのおすすめの設定は20日
20日
ボリンジャーバンドは「+σ」「移動平均線」「-σ」の表示されます。その為、設定では移動平均線の期間を設定する必要があるのです。
移動平均線の期間に決まりはありませんが、開発者であるジョン・ボリンジャーさんが「20日」を推奨しているので、まずは「20日」で試してみましょう。